
龍淵寺に祀られている仏様


阿弥陀如来
龍淵寺のご本尊である阿弥陀如来は、
浄土系の寺院で多くお祀りされている仏様です。
極楽浄土という世界の主であり、
念仏を称える人々をその極楽の世界へ導き、迎えてくださいます。
光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨
光明はあまねく十方世界を照らし、念仏する衆生を摂取して捨てたまわず。
このお言葉のように、阿弥陀如来はあらゆる方向に光を放ち、
すべての念仏する人々を慈悲の光で包み、決して見捨てることはありません。
「念仏」というのは、私たちが仏様を念ずることとして知られていますが、
もう一つの意味があります。
それは、仏様が私たちを念じてくださっているということです。
これを「無縁の慈悲」といい、縁があるかないかに関わらず、
すべての人々の幸せを願い、思いを寄せてくださっているのです。
私たちの生活もまた、ただ生きているのではなく、
誰かを思い、誰かに思われているという関わりの中にあります。
それは姿が見えなくても、距離があっても、確かに存在しています。
阿弥陀如来のお心に倣い、縁のある人も、そうでない人も、
その幸せを願いながら日々を過ごしてみてはいかがでしょうか。
聖観音
慈悲の象徴として広く知られる観音菩薩。
人々を分け隔てなく思いやり、その苦しみに耳を傾けてくださる菩薩様です。
まるで、子どもたちが親の足元で今日あったことや今してほしいことを話しているのを、
優しく見守っておられるような、あたたかなまなざしを感じさせます。
心静かに観音様と向かい合い、心の中にある悩みや思い、
そして新たな決意をお伝えしてみてはいかがでしょうか。
観音様は、やさしいまなこで見守り、そっと力を与えてくださることでしょう。
延命茶の由来
【樫原辻のお地蔵さん】
戦国時代、戦に敗れた武士が樫原の知人を頼りにこの地に参じた。
聞けど探せど、その知人はおらず、路頭に迷ってしまった。
諦め掛けたとき、ふと目をやると樫原の辻に地蔵堂があった。
武士はお堂に飛び込み、共に戦った味方の安否を地蔵尊に祈り続けた。
篤い信仰と人柄により、その武士は樫原の人々に受け入れられた。
地福院(現:龍淵寺)住職のもと、仏教を勉強し出家、
名前を雲林院とし、地蔵堂の堂主となった。
毎年7月23日にはお地蔵さんのご縁日としてお茶を配る仏事を修め、
雲林院は108歳でこの世を去る大往生であった。
そのことを受け、毎年7月23日に配るお茶を延命茶とし、
約500年経つ今なお継承されている仏事である。
地蔵尊 十種の福
お地蔵様にお参りをすると、次の福に恵まれます。
- 一、安産である
- 二、身体と心が満たされる
- 三、全ての病を悉く除く
- 四、寿命が長遠である
- 五、聡明さと智慧を備える
- 六、宝が満ち溢れる
- 七、人々に愛と敬いを持つ
- 八、お米が成熟する
- 九、大いなる力に守られる
- 十、この誓いを永劫に保つ